ぜりーとゼラチン工場

限界大学生の思考掃き溜め

「なんでもいい」って言わないで

 お久しぶりですこんにちはぜりーです。最近は某感染症に敏感になりながらの推し活とドラムと労働とでなかなかに気の休まらない夏休みを過ごしております。先日怒涛の推し活期間が落ち着いたのでその振り返りでもしようと思います。

 先に8/14の某ゲーム配信界隈大運動会の話。ああいう感じのイベントは初めてだったので結構新鮮で楽しかったです。個人的には、会場でペンライトを振っている人がまばらにいたんですがそれがほとんど歌い手オタクで青と赤がやたら多かった(出演してたのがそさんと月くん)のがお里が知れて面白いなと思いました。会場で大声こそ出せないものの爆笑シーンやスーパープレイが出たときにはどっと笑い声や歓声があがっていたので、このご時世でもマスク越しで感情を共有できるようになってきたんじゃないかなと。思ったより会場と一体になって楽しめました。推しの率いる青組2連覇おめでとう!乱入者なんていなかった。

 そして推しのライブツアー……これがまた大変だったんだ……色んな意味で……。

 7月後半~8月前半にかけて行われたツアーで、8月は夏休みだし貯金も無いわけじゃない(尽きても働く時間はある)から時間とお金の許す限り会いに行きたいな~~!!!(躁状態のオタク)と、思い切って東京公演に加え名古屋公演のチケットを取りました。この時点で交通手段やその費用さえ調べていない。調べたのは大学の学年暦のみ。オタクの思い切りの良さほど怖いものはない。推しの存在はプライスレスだし、お金の都合なんてそれと比べればちっぽけな問題。理系の端くれとして数学および算数が苦手なのはずっとコンプレックスに思っていたけど、推し活において一番の武器は数値計算能力の無さですからね。推しができたら次にやることはファンアート漁りと家の電卓を全て捨てるところから始まる。今時スマホ以外で計算機使うやつはいません。ダウト。

 そしてライブチケットが名古屋と東京どちらも当選したことを確認し(本当に当たりやすくなったものです、界隈が”厳選”されてゆくのを感じます)、それからしばらくしてはじめて「そろそろ交通と宿調べないと早割取れなくね!?」と気付きなんとか高速バスとホテルを確保。自分の中にあるのが宮崎~東京の飛行機の相場だったので、高速バスの安さにめちゃめちゃ驚きました。交通費と宿代合わせて予想の半分くらいに収まった気がする。なおそれ以外に費用がかさみまくったのですが……

 しかし7月は理系大学生としてしっかり怒涛の試験期間を乗り越え(もう何回徹夜したかわからない)、夏休みに入って参戦服買って青にインナー染めて推しの女(またの名をオタクのすがた)に華麗に変身したのちすぐ8/2~8/4の二泊三日名古屋遠征にレッツゴー!インナーの青がめちゃくちゃ綺麗に入ってほんとに美容師さんありがとう。前回白→青ときて、「寒色系がお好きなんですか?次ラベンダーとかどうですか?」って言ってくれたけど残念ながら青と白以外にするつもりはないんだ……なぜならオタク・所属・アピールのためだけに髪を染めているので……

 初めての高速バスはほんとに修学旅行のバスを想像していたので(伝わるよね?)、ちゃんと隣の席との仕切りがあったり寝る用の頭カバー?(ベビーカーのアレ)があったりして意外と至れり尽くせりじゃん!と感動しました。でもさすがに東京~名古屋の5.5時間は休憩込みとはいえかなりしんどかったので、これが限界かなと思います。これより距離があったら大人しく新幹線か飛行機取った方がいい。

 そんなこんなで名古屋に到着したわけですが、名古屋、地下鉄がなかなかに複雑……。あとライブで推しが「名古屋駅ってなんか渋谷に似てない?」って話をしてて、そのとき会場のみんなは「う~ん……?」って感じだったけど私はなんとなく分かる、分かるよその気持ち。1日目は昼過ぎ~夕方ごろに着いてホテルにチェックインして、長時間バスに乗ってそこそこに疲れていたので部屋のソファーで死にかけながらその日の夕飯を検索。どうせなら味噌カツを食べたかったので、近くの有名そうなお店に観光がてら歩いて向かうことにしました。名古屋は運転が荒いらしいという前提知識からのバイアスかもしれないけど、やっぱり心なしか横断歩道を渡るのが怖い、かもしれない。せっかく推しに会うために遠征してきたのにここで死にたくない。せめて轢かれるならライブ後がいいですお願いします。でも東京公演もあるからやっぱりナシで……。あと味噌カツはめっちゃ美味しかった。量が多くてしんどかったことに年齢を感じました。でもほんとに美味しくて名古屋3日間全部味噌カツでもいいくらいでした、もったいないからやめたけど。ちなみに次の日の名古屋公演で偶然会った福岡住みのインターネットオタクフレンズは「味噌カツ前食べたけど、私はソースでいいかな…って感じ」って名古屋駅のホームで思いっきり言い放っててめちゃくちゃ好きでした。やっぱりあのスーパーマイペース自由人のオタクを長年やってるだけある。オタクは飼い主に似る。

 そして来たる8月3日、ライブ当日!!インナーを青に染めたのは前述しましたがこれがまた髪をハーフアップにしたときのかわいさがえげつなくて、今回の参戦服がなかなかお気に入り+それに合うメイクが思いのほか上手くいったのもあって「今日の俺、最強!!!!!」と自己肯定感爆上げ浮かれオタク。でもあのときが確実に19年今まで生きてきた中で一番垢抜けてかわいくなれた瞬間だったと思う。現場があるごとにメイクが上手くなっていく。裏を返せば現場以外の日常メイクが死ぬほど適当。自分の中ではメイクというよりもはや「オタクのすがたへの変身」というつもりかもしれない。現場に行くまでの準備で自己肯定感とワクワクが最高潮になって、家を出て会場に近付くにつれて同じ現場に行くであろうめちゃくちゃかわいい子たちを目の前にして自信をなくすまでがワンセット。今回は電車を出てすぐに「それっぽい子二人組」がいたのでその子達についていくだけで地図を一回も開くことなく会場に到着することができました。現場は「それっぽい子」についていくに限る。全員家からライブTシャツ着て来るかクソデカ痛バ持って歩いてくれ。

 会場に着いてからは物販行って、今回はグッズを8000円以上買うとお見送り会参加券が貰えるとかいう悪徳業者仕様だったので(大体毎回欲しいものをリストアップするだけで10000円は超えるんだけれども)ちょうど8000円ちょいになるくらいまでグッズを買い。初めて缶バッジくじでシークレット絵柄を引けて「やはり、今回の私、””持ってる””な……」と思いました。なぜならチケットが発券されたときの座席もなかなかに良番だったから。物販を並び終わってから開場まで4、5時間あったので本当は会場周辺を観光したかったのですが、あまりの暑さに会場を出る気になれず断念。物販および待機場所が室内で本当に良かった。推し、晴れ男すぎる。暇つぶしのための小説もホテルに置いてきてしまったので(本当にどうして?)、ただ携帯をいじったり座ったまま目を閉じて半分寝たりしてひたすら無益で虚無な待ち時間を過ごしました。あの時間は本当に何だったんだろうな。いつになったら開場直前にちょうど物販買い終わるような完璧なタイムスケジュールを見積もることのできるオタクになれるんだ?ハウツー本があったらぜりーまで教えてください。コメントかマシュマロで待ってます。

 そんな無益で虚無な4時間を終え、やっと開場時間に。座席がどのへんかは事前に調べて大体わかってたけど、やっぱり近い……!!!!!(最前から16列目)しかも慣れ親しんだ市文に形がすごく似てるから、なんか、ここが家ですか?50回くらいここ来たけど?えっこんな至近距離で推しが見られるんですか?合唱コンクールより近いじゃん……しかもコンサートホールだからアリーナとかいう凶悪な概念無いし。一番前から全部傾斜ついてるし。最高か?地方公演また絶対行きます。

 ライブの開場時間から開演までの間ってビックリするほど短いですよね。あの瞬間が生きている中で一番短い1時間だと思います。いやライブ中の方が短いわ。やっぱり嘘です。待ち焦がれた瞬間はすぐにやってきて、推しらしいメルヘンでかわいらしい音楽が流れ出して、え、??????

 衣装、かわいすぎんか???????王子?王子おるけど???????エ゛ッ……………………これが33歳………………?何進法で33歳って言ってる?6?7進法くらい???疑っていこうな、世界……………

 そして最初の曲がめちゃくちゃかわいい~~~~~~!!!!手拍子、かわいい~~~~~~~~!!!!!!いつか広辞苑の編集者になって【可愛い(かわい-い)】の説明欄にこれを載せて上司に呆れられたい。作業が終わらなさすぎて深夜テンションがキマってもう意味が分からない。でも、今回の衣装、マジで過去イチで好きなので、衣装展示待ってます。東京公演のレポで王子衣装抜いてくれたナタリー、お前を一生愛す…………いやどうしてAtRのライブレポで毎回背中合わせの写真抜いてくれないんですか?キレそう。

 今回はほんとに席が近くて、初めてライブ中の表情が肉眼ではっきり見えたので終始大大大満足だったし、セトリも大優勝でもう、俺、ここに来てよかったよ……推しに触れるたびに推しのこと、好きだな……という実感が増えてゆく。推しのこと好きすぎて、どうしようね……(定期)地方公演、箱が小さくて必然的に推しが近くなるし、人が少ないから物販も混まないし、観光もできるし、完全に味を占めてしまった。楽しすぎる。ただお金と時間は飛ぶので、また推しのために長期休みバ畜野郎にならねばならない……。でも東京公演より何倍もストレスフリーで楽しい(この数日後東京公演で地獄を見ることになる)。あれ?東京に行けば推しに会えると思って上京したのにどうして地方にまで追っかけしてるんだろう?夏休み子ども科学電話相談に電話したら解決してくれるかな。

 そのあと例のお見送り会に参加するわけですが、前述のトンカツはソース派お姉さん(2か月前に相方の東京ドームに一緒に行ってくれたインターネットオタクフレンズ)が斜め前くらいの座席にいて思わず声をかけたところ、「エッ近い!私も一人でめっちゃそわそわしてるんです~!一緒に行きましょうよ~~!!」ってすごくフレンドリーにしてくれて二人で2、3メートル先にいるライブ後の推し(とてもかわいい)にバイバイしてから一緒に喋りながら駅まで行って電車に乗りました。まさか会えて最後まで一緒に帰ってくれるとは思ってなかったのでとても嬉しかった。やはり趣味を共有できる友達というのは、良い(よい)……。ライブって推しに会えるのはもちろんだけど同じ推しを推す仲間たちと同じ時間と空間を共有できるのも前者に負けないくらい好き。あと翌日の空いた時間で行った科学館と宝石展は化学科大興奮大満足の内容でした。東京で常設してくれ…あの展示の総額、多分私たちが想像できる金額より桁が5個くらい多い気がするからどう考えても無理。

 そして名古屋から帰りほぼ一週間後の東京公演、ここで予想外の事態が発生するわけですがその前に。会場近くに到着したときに、何か違和感があるなと思ったんですよ。会場に近付くにつれて”っぽい”人たちが増えていくのが割と好きなんですが、何か、イメージカラーと雰囲気と年齢層が違くね?何事???と思って原宿駅から代々木体育館まで歩いていたら途中のすぐそばになんと某いちごの王子様だか何だか知らんが他歌い手グループ様のイベントがやっているではないですか。同じ歌い手とはいえ世代も活動スタイルも両極端にある活動者の盲目他担拒否過激派オタクがお互いを良く思っているわけもなく(※偏見)、カラフルでフレッシュな小中学生とそんなガキを見下す青色の大きなお友達が入り乱れるカオス空間・原宿駅西口、こ、ここが令和の地獄ですか?神様……どちらかというと歌い手は平成の文化なんだよな……輪をかけて地獄だな……「せめて某船グループにしろよ~~」って話してたお兄さん二人組、絶対こっち側の人間で面白すぎる。向こうのファンの方々、本当に、申し訳ございません。今後とも仲良くしましょう。それにしても代々木体育館、マジで日陰がなくてグッズとフードの物販に炎天下の中数時間並んで開場前に息絶えるかと思いました。オタクにも、体力、必要……。スタッフさんはもっと大変だっただろうに感謝しかない。もう二度と来たくねえよとうんざりしていたけども3日後にまたここ来るんだよな……という絶望に打ちひしがれていました。頼むから全ライブ会場で物販を室内にしてくれ。

 代々木体育館は縦に長い会場で、ライブのかなり前から「アリーナ後方とか絶対何も見えないし1、2階席よりハズレじゃんw」とかほざいてたら3日前のチケット発券で本当にアリーナ後方を引き絶望。安定の座席運の無さ。終わりだ……まあ名古屋と足してプラマイゼロってところか……いや行けるだけ幸せなことだし……と自分を言い聞かせていたのですが、いざ始まると自分の席が通路に面していたのもあって意外と視界が開けている、これ、意外と、いける……!!!と嬉々としてライブを楽しんでいた途中。事件は起こる。エッ、ト、トロッコでアリーナを一周!?!?!?!?しかも止まって、エ゛、バックステージ…………!?!?(アリーナ後方なのでめちゃくちゃ近い)極めつけはこ、このイントロは、ゆ、ユラユラ…………(夢か?) 本当に表情どころか衣装の細かいキラキラまで鮮明に見える距離で、こんなんアリーナ前方より大優勝じゃん……かわいいねかわいいねウワッこっち見ないでいややっぱ見て!!!!!(ペンラで顔を覆う限界オタク)バックステージで2、3曲歌って、あっもう帰っちゃうのか……と一旦落ち着けたと思いきや、あれもしかして行きの通路から考えてこの私の3列前の通路、帰りのトロッコ通過したりします???エッッッ本当に近づいてくるんだが!?!?マジ!?アギャ……いや近い近い近いって目が合っちゃうよ!!しかもちょうど曲がり角のところだったから言わば少しだけ待機時間が長いわけで、ほんとに目が合う距離だった、いやそんなファンサするような人ではないのですが、もうそれはそれはキラキラしていて、トロッコでアリーナの後ろから正面ステージに帰っていく煌びやかな背中を視線で追いかけていたとき、人生…………と思ったんですよね。将来就きたい職業だとか、大人になったらこんな生活を送りたいだとか、新しい家族は欲しいかとか、世間一般で言う「人生」って多分そういうものだけれども、でも、確かにこの瞬間が、私にとっての人生だなって思った。一生懸命バイトしてお金貯めて、ときには遠征もして、自分ができるありったけのかわいい恰好に変身して、共通の趣味を持つ大好きな仲間と一緒に、大好きな人を全力で追いかけるこの瞬間が一番好きだし、この瞬間にいる自分が一番好き。推しが人生、だなんてよくあるオタクの過剰表現だと思われるかもしれないけど、こんなの、人生に決まってる。だって私の一番だから。人生って、前述のような真面目なものでなくても、その人がそう思えるものなら何でもいいんじゃないかな、と思う。

 母親やそれにあたる人から今日の晩御飯は何がいい?って訊かれたときに、「なんでもいい」と答えた経験はありませんか。私はめちゃくちゃあります。というかほぼそうです。そしてそれは大抵、相手を困らせる。なんでもよくないのよ!と言われる。あまりに自由度が高すぎるものは逆に行動のしづらさを生むから。でも、なんでもいいものはなんでもいい、とも思う。だってなんでもできるもの。まだ成人すらしていない、こうやって母親を困らせてばかりのガキが人生について語るのはきっとナンセンス。だけど、人生ってたぶん、今日の晩ごはんと同じくらいなんでもよくて、なんでもよくない。(終)

 

 今回は長くなってしまいましたが読んでくださりありがとうございました◎何かあればマシュマロまで↓

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