ぜりーとゼラチン工場

限界大学生の思考掃き溜め

パインアップルは涙の味

 東京ドームからの帰り道で買ったポムポムプリンのパイナップル味のグミ。翌朝に食べたけど、あんまり、美味しくなかった。
 当日は頑張って泣かなかった。推し本人も、湿っぽい感じじゃなくて楽しく終わりたいから今日は泣かないんだ、って言っていた。声が震えたりとか泣きそうな素振りも全く見せていなかったけど、立派な人間のはずなのにどこか頼りなくて、生放送でも時折涙声になっちゃうような今までの推しの姿を思い出して、今になってノートPCの前で泣いている。あんまり美味しくないグミを食べながら。ほんとに、強く大きくなったねって、かっこよくなったねって、親じゃないけど。何なら10コ以上年上だけど。私はそこまで古参ってわけでもないしオタクとして古参・新参の価値観はあんまり持ちたくないけど、もう結構長い間推しのことを応援してこれて本当によかったと思う。もっと早く知りたかったとかもっと前からライブ行きたかったとか、よくばりは止まらないけど、中高大と大事な(?)青春時代をずっとずっと一緒に歩いてきてくれて、この人格形成に大切な期間にずっと共に過ごしたものなんて、人生と言っても過言ではないと思っている。実際推しに出会って人生狂わされた場面ってきっとめちゃくちゃある。みんなも推しに人生狂わされてけ。
 この話は前にもした気がするんだけど、私は推しのことを『自転車の補助輪』だと思っていて、これはどういうことかというと、補助輪がなくても一応は自立して進めるし進む道は自分で決める。だけどそこに段差があったり障害物にぶつかったときに転ばないように支えてくれて、すぐそばで人生を一緒に進んでくれる補助輪のような存在が推しだった。今もそう。
 推しが紅白出場とか活動休止の発表をしたとき、Twitterの大学垢で友達から「フォロワーの安否確認に来た」って言われた。私が歌い手の限界オタクだってことを仲の良い人は知ってるって感じなんだけど、「まふまふ」が第三者からした私のアイデンティティになっていること、なんだか誇りに思う。勝手に他人を自分のアイデンティティにするな。未だに胸張って歌い手が好きです!って言うのに抵抗があるどうしようもない趣味コンプおばさんだけど、そんな自分とも少しずつ、お別れできる気がするよ。本当に私は、推しのオタクでよかったし、幸せだし、この事実を誇りに生きていきたい。推ししか!!!!!勝たん!!!!!!!!!!!!!!!!!お前が一番だ!!!!!!!!!!!!!こんなかっこいい推しを全力で追いかけてこれたこと、人生の誇りです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 東京ドーム翌朝にやっていた作業を途中で止めてしまってこのあたりから再開しているのだけど、時間が経つにつれて、いつも夕方に楽しみにしている一日一回の推しのツイートが無いこと、無言でyoutubeに投稿される歌詞表示すらない新曲の静止絵動画、(ついでにちょっぴり病んでる相方)、覚悟はしていたつもりだけど本当にすぐ眠っちゃうんだなって寂しくて寂しくてたまらなかった。ライブで散々惚れ直させておいてそんなのひどいよ。もっともっと応援したくなったよ。もうアルバム何年出してないの。神楽色2019年って見てびっくりしちゃったよ。私は「いつ推しが活動をやめようと、今まで貰った作品やそれに伴う思い出が既にお腹いっぱいなほどあるから大丈夫生きていける」って綺麗事を抜かしていたのだけれど、そんな簡単なことじゃなかった。大好きな作品たちとその思い出が沢山沢山あるからこそ、綺麗であったかくてずっと抱きしめていたいものたちだからこそ、もったいなくて仕方なくて、ここで終わりにしたくない。新しいぬいぐるみが欲しくなる。机の引き出しに引っ掛けた、日に日に増えていくペンライトが恋しくなる。補助輪だってきっと、新しいものに替えないとやがてはボロボロになる。自分が一番欲張りになってしまうものに対して綺麗事なんて通用するはずがなかった。
 推しは何度も私たちに本当にありがとうって言ってくれたけどありがとうを伝えたいのはこちらのほうで、推しがこちらに思ってくれてる感謝の気持ちに対して、こちらは5万人分の、ライト層のライブ楽しかったな~って気持ちからオタク11年選手のクソデカ激重感情までそれぞれ全員異なったありがとうを抱いているんだよ!!!と伝えたい。ライブの内容自体には後日有料配信があるからあまり触れないつもりなのだけれど、個人的には一番好きと言っても過言ではない大大大好きな曲を1日目それもアンコールのラスト、ペンライト思いっきり振っていいよ!!って言って歌ってくれたことが本当に本当に感謝しかありませんでした。ありがとう…ありがとう…オタク成仏できます…有事の際には葬式で流してくれ………
 5万人の中でも本当に何もできない無力なオタクだけど、せめてもの感謝として、ずっと良い子にして待っていよう。そして、また帰ってきたときにおはようって言おう。それまでは、彼が何歳になるまで女の子になってくれるか否か考えることにしよう。
 ねぼすけな推しが目を覚ますときにはとっくにあの美味しくないグミは店頭に並んでいないと思うけれども、そのときにはたぶん、パイナップル味のグミはもう少しおいしい。

(終)

 

読んでくれてありがとうございました◎皆様も後悔のない推し活を!

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